FIRE(Financial Independence, Retire Early)を目指すものの、毎月の支出が多く、なかなか貯蓄を増やせないという悩みを抱えている方は多いでしょう。特に、収入を増やすことが難しい状況では、支出を見直し、節約することがFIRE達成の近道となります。しかし、無理な節約はストレスが溜まり、長続きしないのも事実です。
この記事を読むことで、無理なく続けられる節約習慣の重要性と具体的な方法を学び、支出を抑えながら貯蓄を加速する道筋が見えてきます。FIREを実現するための貯蓄額を確実に増やし、目標達成に一歩近づけるはずです。
支出を減らすために、まず家計の固定費の見直しや不要なサブスクリプションの解約を提案します。次に、日常の買い物や娯楽費用の削減方法を取り入れ、日々の生活の質を下げずに節約を実現するための具体的なテクニックを紹介します。
節約は「少しずつ、長期的に」行うことで無理なく習慣化でき、着実に貯蓄に繋がります。FIREを目指す過程で、節約に対する前向きな意識と具体的な行動が、貯蓄の増加に貢献します。
◆ やることリスト ◆
☑固定費はムダをなくして削減
☑変動費は自分にとっての価値で判断
家計を見える化して固定費や変動費を節約する
FIREに向けて投資効率を上げるためにも、また、FIRE後に限られた生活費で暮らすためにも、節約は重要なポイントとなります。とはいっても、ギリギリまで生活を切り詰める必要はありません。基本を押さえ、無理のない節約プランを立てましょう。
FIRE前もFIRE後も節約は続ける
【FIRE前】
運用するお金が多いほど、運用益も増え、FIREも近づきます。日々の支出を抑え、投資資金を増やすことが重要です。
【FIRE達成後】
FIRE達成後に資産を減らさないためにも、運用益の中で生活をまかなえるよう、継続した節約が必要となります。
【年金受給中】
趣味や娯楽費などは確保しつつ、計画的に取り崩しながら暮らします。年金収入も活用し、資産寿命を延ばしていきます。
節約は3ステップ
まずはざっくりと現状把握!
節約の目標は「率」ではなく「額」で決める
生活費を抑えるにあたって「収入の5割」など割合で決めるのはNGです。ほとんどの場合、年収の増加は支出の増加につながってしまうので、生活費はきっちり15万円以内など、金額ベースでの判断が大事です。生活費を一定額に収めることができれば、増えた収入はそのまま貯蓄や投資に回せるため、資産形成のペースが速くなります。
大目標と小目標の2つを立てれば、毎日の目安がわかり、節約も実践しやすくなります。
家計簿アプリで自動化する(家計の見える化)
【マネーフォワードの特徴】
出典:マネーフォワードME
自動記入で作業を時短分析に時間をかける
記入が手間でついサボりがちな家計簿も、自動記入機能のあるスマホアプリなら手軽に続けられます。余った時間を分析に費やすことで、より効率的に節約できるはずです。
節約との付き合いは一生
FIREにおいて節約は避けて通れない道といえます。FIRE前は貯蓄や投資に回すお金をなるべく増やすため、日々の生活費を切り詰める必要があります。さらに、FIRE後は築いた資産を枯渇させないよう、計画的な支出が欠かせません。
FIREは裕福なイメージがあるかもしれませんが、常に節約が必要だと理解しておきましょう。節約の目標は金額ベースで考えるのがポイントです。生活費を一定額以内に抑えておけば、収入増加が貯蓄ペースの加速に直結します。
実際の節約は3ステップで行いましょう。まずは家計を見える化します。自身の支出の在り方や削れそうなムダを見つけます。家計簿が必須となりますが、スマホアプリなら記録を自動化できるため、手軽に続けられます。その後、固定費、変動費と支出の削るステップに進みます。
固定費は一度減らせば効果長持ち
細部まで支出を分析してムダのカットを徹底
固定費とは住居費や通信費など毎月決まって発生する支出のことを指します。契約後の価格は据え置きとなる場合がほとんどのため、一度コストカットに成功すれば、以降の支出を削減することができます。
まずは、日々の支出を洗い出し、使っていなかったり、割安な商品への乗り換えたりできる箇所を見つけていきましょう。見つけるポイントは一度手放してみて、そのうえで必要性を感じるのであれば、そのとき再契約をすればいいと割り切ることです。
住居費を減らす
手数料のもとは取りやすい
住居費は手取りの3割程度を目標にします。引っ越しや住宅ローンの借り換えには費用がかかりますが、節約できるお金を考えればすぐにもとが取れるといえます。
光熱費は「セット割」がお得
【電気代】ガスといっしょに節約
【東京ガス「基本プラン」】
出典:東京ガス
東京ガスが関東エリアを中心に提供している電気料金メニューです。東京電力の従量電灯Bプランと比べると、使用電力量に関わらず電気代が安くなります。また、ガスとセット契約することで、電気代が0.5%オフとなる特典もあります。なお、どのくらい安くなるのか電気料金シミュレーションで確認できます。
【水道光熱費】こまめな対策で節約
電力自由化で選択肢も拡大
2016年の電力の小売全面自由化により、各家庭が選べる電力会社の候補も増えています。オススメは電気とガスの会社を一緒にすることです。会社によってはセット割で安くなる場合もあります。もちろん、水道光熱費はこまめな節約も大切になります。
格安SIMで通信費ダウン
割安の新サービスへ乗り換え
ここ数年でスマホの料金プランは大きく変化しています。特に格安SIM(MVNO)サービスなどは月1,000円台で利用できる場合も多くあります。通話品質やカバーエリアは3大キャリア(docomo・au・softbank)が有利といえますが、気にならないようであれば乗り換えた方がおトクになります。なお、ネットからでしか契約できないプランもあるので注意が必要です。
【通信費比較】
サブブランド:UQモバイル、ワイモバイル
オンライン専用プラン:ahamo、povo、LINEMO
出典:ぬるまえ通信
Wi-Fi活用で通信費0円も実現
格安SIMの中には月額0円のプランを提供しているところもあります。実現にはWi-Fiの利用を徹底してデータ量を抑える必要がありますが、よりコストカットを目指すのであれば挑戦してみるのもよいでしょう。
サブスクリプションは一旦解約するのも手
毎月支払い金額が一定の固定費は最初の見直しこそ大変なものの、それさえ乗り越えればずっと節約効果が続きます。頻繁な見直しも不要なうえ、金額が大きい項目も多いため、初心者こそ最初にメスを入れたい支出といえるでしょう。
家計の見える化で固定費を洗い出したら、ひとつひとつ必要かどうか、より安い商品がないかどうかを吟味していきます。たとえば、サブスクリプションサービスなどは見直し対象の最有力候補に挙げられます。このとき、「将来使うかもしれない」という考えを持ってはいけません。
多くのサービスは再加入できるので、「とりあえずやめてみる」という行動を起こすことが重要です。
生活に必要でどうしてもカットできない水道光熱費や通信費は、なるべく安いプランに乗り換えることを検討しましょう。たとえば、電気はガスと同じ会社で契約すると割安になる場合もあるのでシミュレーションを行って、安くなるか確認してみましょう。
保険は公的保障を活用
病気やケガなどで働けなくなった場合、休業の4日目から通算して1年6カ月まで、給与の3分の2が傷病手当金として支給されます。勤め先から給与の支払いがあったとしても、傷病手当金より少なければ差額が受け取れます。ただし、傷病手当金だけでは生活費が不足することもあるので、民間保険との併用も検討しましょう。
小学校入学後から70歳未満の医療費の自己負担分は原則3割だが、元々の医療費が高額だと個人の負担も大きくなります。高額療養費制度を利用すれば、所得ごとに決められた限度額を超えた分、医療費が戻ってきます。ただし、高年収の場合は自己負担分の上限もアップするので要注意です。
民間保険は公的保障の補てんに
国の公的保障は非常に手厚くなっています。たとえば、会社員が加入する健康保険には、病気やケガで休業した場合の収入を保障する「傷病手当金」があります。公的医療保険の加入者であれば、医療費が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される「高額療養費制度」も利用可能です。公的保障を最大限活用したうえで、それでも不足する分を民間保険で補うようにしましょう。
車はレンタカー・カーシェアで維持費カット
【普通自動車の年間維持費の例】
首都圏に住んでいるなら手放すのもあり
車は各種税金や駐車場代など、乗らなくても持っているだけで大きな負担となります。もし、公共交通機関の発達している都市部に住んでいるなら、手放すことも検討してみましょう。必要なときだけレンタカーやカーシェアリングサービスを利用すれば、それだけで維持費分が節約になります。
【参考】車の維持費の計算(出典:CASIO)
同じ種類のサブスクはひとつに絞る
「ひとつひとつの月額費用は安いから」「サービスによって若干内容に差があるから」と、同じ種類のサブスクサービスを重複して契約しているなら、見直しで固定費を削るチャンスです。重複はなくても、動画や音楽、マンガなど、さまざまな種類の契約があるなら、やはり見直しの検討をしましょう。あれこれ手を出すより、特定のサービスに絞って使い込んだほうがおトクといえます。
変動費は「ムリせず」「メリハリ」をつけて節約
生活の質はそのままコストだけを見直し
生活費をいきなり半分以下にするような節約は、節約額は大きいかもしれないが、継続は難しいでしょう。無理のある計画を立てるより、できる範囲で長く続けるほうが重要です。ポイントは自分にとっての価値を基準にメリハリをつけてお金を使うことです。できるだけ生活の質は変えず、コストだけ落とすように心がけましょう。価値のないものを買っていないか、自分の消費の仕方を見直しましょう。
身近な行動からムダをカット
【無駄遣いを抑えるテクニック】
【節約のポイントはほかにも!】
身の回りの小さなムダを見つけていこう
変動費の削減はひとつひとつの金額が少ないため、モチベーションが保ちにくいかもしれません。しかし、小さなムダも積み重なれば大きな金額となります。マイボトルやマイバックの持参、より安い商品を選ぶなど、日々節約意識を持って取り組んでいきましょう。
コンビニに行くならアプリでおトクに
出典:セブンイレブン
アプリ限定クーポンのほか、対象商品の購入を続けるとランクが上がり、限定キャンペーンへの参加といった特典が受けられます。
出典:ローソン
定期的に割引クーポンが配布されます。Pontaポイントで商品のお試し引換券と交換できるため、ポイントが貯まったときだけ使うこともできます。
出典:ファミリーマート
アプリから限定でおトクなコーヒー回数券が購入できるほか、一部商品はFamiPay払いの場合、割安な特別価格で買うことができます。
おトクなキャンペーン中だけ使うのもよし!
アプリのクーポンなどを使えば、コンビニの買い物も安く済ませられる場合があります。特にローソンはクーポンの配布も多いので、どうしても使う場合は必ずチェックしましょう。
ネット通販はセールで使い分ける
【Amazon(プライムデー)】
出典:Amazon
Amazonで年に一度大型セールが開催されます。利用には有料会員になる必要がありますが、割引率が比較的高いのでもとを取るのは難しくありません。
【楽天市場(楽天スーパーセール)】
出典:楽天市場
購入したショップ数に応じて還元率が上がる「ショップ買いまわり」システムが魅力です。過去にはほかのキャンペーンとの併用で43%還元になった例もあります。
【Yahoo!ショッピング(超PayPay際)】
出典:Yahoo!ショッピング
PayPayでの支払いでポイント還元率がアップするキャンペーンがあります。なお、期間中はPayPay加盟店の利用でも特典を受けられる場合が多くあります。
トイレットペーパーや消耗品のストックをまとめ買い
大手ネット通販サイトでは還元率が上がったり、商品が安くなったりする大型セールを頻繁に開催しています。保存できる日用品などをセール中にまとめて買い込んでおけば大きな節約になります。
フリマサービスで日用品をGET!
食器や家具はフリマサービスでも手に入ります。新品同様の商品が半額以下で出品されている場合もあり、運良く見つけられればかなりのおトクです。もちろん、不用品を売って収入を得ることもできます。
出典:メルカリ
食品や衣服はシェアサービスを使う
【Otameshi】
出典:Otameshi
廃棄予定の食品や衣服などをお手頃価格で購入できるサイトです。特に賞味期限が近い食品は割引率が高く設定されています。また、スキンケア商品や文房具など取り扱いジャンルの幅も広くなっています。
【tabeloop(たべるーぷ)】
形が不揃いな生鮮食品や訳ありな加工食品などを掲載しています。価格が非表示になっている商品の中には1円という格安で販売されているものもあって、GETできれば食費を大きく節約できます。
【AirCloset】
出典:AirCloset
月額7,480円(初月は3,740円)から利用できる服のサブスクリプションサービスです。事前の診断結果をもとにプロが服をセレクトして送ってくれます。自宅だけでなく、コンビニ受取ができるのもうれしいサービスです。
味や品質は変わらない訳あり商品でおトクに!
フードシェアリングサービスとは賞味期限が近い、形がいびつという理由から通常は廃棄されてしまう商品を生産者から売り手へ直接届けるサービスのことです。味はそのまま、割安価格で購入できるため節約生活の強い味方といえます。また、服もシェアリングサービスを利用すれば、買うよりも安く、常に新しい服を着ることができます。
医療費の分だけ節税する!
入院などがあったら利用を検討
医療費控除では10万円を超えた分の医療費を課税所得から差し引くことができます。確定申告が必要で、また、対象とならない費用もあるので利用の際は注意しましょう。
10万円以下は「セルフメディケーション税制」も
■対象商品のマーク
出典:厚生労働省
対象商品の例:目薬・かぜ薬など
セルフメディケーション税制とは、対象の医薬品の購入費について、12,000円を超えた額が控除される制度です。なお、利用には会社の健康診断などを受けている必要があります。また、医療費控除との併用はできないので注意しましょう。
無感動な消費を無くしていく
一度見直せば効果がずっと続く固定費とは異なり、食費や娯楽費、日用品代といった変動費の削減は毎日の節約意識が大切になります。長く続けるためにも、心身に負担をかかる極端な節約は厳禁です。生活の質を落とすのではなく、自分にとって価値のある支出だけを残すことがポイントになります。
感動しないような消費を止めることが大切になります。費用は抑えつつ、満足度が高くなる選択をするように心がけましょう。FIRE達成までに身につけた節約スキルはずっと役に立つはずです。
ペットボトルのお茶やスーパーのレジ袋などは価格が安いため、つい買ってしまいがちになりますが、実は年間5万円以上の出費になっている場合もあります。少額だからと見逃さず、ムダのカットを徹底しましょう。
コンビニやネット通販を使う場合は、キャンペーンやセール期間を狙うようにしましょう。割引中にまとめ買いをすれば、支出はぐっと抑えられます。
ふるさと納税で返礼品をもらう
ふるさと納税は自身が住んでいる自治体に納める住民税を、寄付という形で他の自治体へ移し替えるイメージです。寄付金は一定額が控除されるので税負担が軽くなるうえ、返礼品がもらえます。
本来納める税金を返礼品に移し替え
ふるさと納税とは寄付金額から一律2,000円を差し引いた金額が所得税および住民税から控除対象となる制度です。寄付先は自分で選べ、自治体によっては特産品などの返礼品がもらえます。ふるさと納税は節税ではなく、そのままだと手元に残らないお金を返礼品に移し替えるイメージになります。返礼品がもらえる分おトクといえますが、支出自体は変わりません。
申し込みはネットから!
【さとふる】
出典:さとふる
ふるさと納税を実施している自治体や返礼品の内容は、「さとふる」などの比較サイトで簡単に確認できます。自身の控除上限額のシミュレーションもできます。
■返礼品の一例
出典:さとふる
返礼品は地元の特産品や名産品だけでなく、ティッシュといった日用品がもらえる場合もあります。節約生活の息抜きに高級食品などの豪華な返礼品を受け取るのもよいのですが、よりストイックに節約をするなら、日用品をもらって生活費の足しにするとよいでしょう。
ふるさと納税で生活費を浮かすことも可能
自動車だけでなく、食品や衣類もシェアリングサービスの活用を検討しましょう。賞味期限が近く、店頭で販売できない商品などを割安で購入できるフードシェアリングサービスなら、食費を減らせるうえ、廃棄食品の削減にも貢献できます。
寄付金額の一定額が控除され、そのうえ返礼品までもらえるふるさと納税を利用するのも選択肢のひとつです。ふるさと納税は節税手段ではなく、今住んでいる自治体に納める税金を返礼品に変えていると考えましょう。
豪華な返礼品をもらって日々の節約疲れを癒したり、返戻品が日用品の自治体を選んで生活費を浮かしたりといった使い方ができます。
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