鼻血が突然出て止まらないと焦ります。
特に、頻繁に出る場合は、何か病気にかかってしまったのではないかと心配になると思います。
鼻血の原因はさまざまで、特に大人になってからの鼻血には重大な病気が隠れている事もります。
鼻血の出方や症状などで、鼻血は体の異常を訴えているのかも知れません、早めに体の危険信号を見つけて、病気を予防出来るかもしれません。
鼻血が出るしくみ
鼻の中にある血管がやぶれて血がでてくることを鼻血といいます。
鼻の中は、薄い皮の粘膜で覆われています。
この場所にある血管はとても細く、切れやすいのが特徴です。
特に切れやすい血管が網の目状に広がっている部分が、鼻の穴のすぐ近くにあるため、鼻を強くかんだり、鼻をぼじったり、鼻の穴の中に指を入れるなどをすると粘膜を傷つけ、血管が切れて血が出ることがあります。
この部分は、キーゼルバッハ部と呼ばれています。
また、くしゃみや咳などによって、一時的に血圧が上がって、鼻を刺激することによって鼻血が出やすくなります。
花粉などによる影響でも鼻血は出やすくなります。
一般的な鼻血の8割〜9割くらいはこのキーゼルバッハ部からの集結です。
残りの1割〜2割くらいは、鼻の奥にある太い動脈の血管が切れることによって起こります。
動脈は、キーゼルバッハ部にあるような毛細血管に比べて太く、多くの血液が流れています。
もし、動脈が切れてしまうと、自分では止めることが困難なほど、大量に出血してしまいます。
この場合は入院や手術が必要になる場合もあるため、大量の出血が15分以上止まらないような場合は、すぐに病院へ行きましょう。
日常生活から考えられる原因
1.ストレス・疲れ・寝不足
鼻血が出るようなことは何もしてないのに寝不足な時や疲れが溜まった時に鼻血が出ることがあります。
ストレス・疲れ・寝不足は鼻血の原因となることが多いようです。
特に仕事や家事で毎日忙しく動き回っている人は要注意です。
ストレス・疲れが身体に溜まるとそれが原因で鼻血を出してしまう場合は、ストレス・疲れから自律神経失調症という病気にかかっている可能性があります。
自律神経失調症になると毛細血管が切れやすくなるため、鼻の中の細かい血管は切れやすいので鼻血が頻繁によく出るようになるのです。
また、寝不足の場合は特に朝に突然鼻血を出してしまうことが多いので枕にタオルをかけておくなど十分気をつけましょう。
2.酒・タバコ
お酒を飲むことにより、血圧や体温が上昇します。
これにより、血圧が上がり、鼻の毛細血管が切れてしまい、突然鼻血が出るのです。
また、タバコを吸いすぎても血圧が上昇してしまいます。
どちらも同様の原因で鼻血が出やすくなってしまうのです。
「もしかするとお酒やタバコのせいで、鼻血がよく出るのかな?」と、感じている人は、まったく飲んだり、吸ったりしてはいけないというわけではありませんが、適度にするようにしましょう。
これは個人差があるので、お酒やたばこが原因で鼻血が頻繁に出てるかも、という人は一度それらの頻度を抑えてみるとよいかもしれません。
3.乾燥
冬になるとほとんどの地域で気温と共に湿度もぐんと下がります。
空気が乾燥することで、体にもいろいろな影響が出てきます。
乾燥は鼻血の原因としてとても多いです。
特に冬場など空気が乾燥しているときは鼻の中の粘膜が乾燥しています。
粘膜はバリア機能を持っていますので、粘膜が乾燥してしまうことはこのバリア機能が低下してしまうということです。
これにより乾燥で鼻血が起きやすくなります。
また、外気だけでなく室内も、暖房や電気機器で温度があがっている上に空気も乾燥していて、粘膜にとってはあまりよくない状況であることが多いです。
冬の乾燥に耐えられなくなって、鼻から出血してしまうことは、実は少なくありません。
冬になると風邪や乾燥から、くしゃみや鼻水による鼻の粘膜への刺激も多くなりますし、鼻をかむことで強い力が加わることもあります。
そのせいで粘膜が傷ついて、鼻血が出ることもあります。
鼻や喉の粘膜がよく乾いているなと感じた時点で、部屋の加湿を心がけるようにすると、鼻血が出るほど粘膜を傷つけることが少なくなります。
4.季節の変わり目
大人でも気圧の変化でぎっくり腰が起きたりするように、季節の変わり目は体に影響を与えます。
気温や湿度の変化に体が対応しきれず、鼻血を出す場合があります。
子どもの場合、まだ、体が未発達なので、大人以上に外部の環境の変化で鼻血を出してしまうことがあります。
また、冬や春の時期では、花粉症などのアレルギー性の鼻血も起こしやすくなってしまいます。
5.風邪
熱が出たり、鼻水が出たりする風邪でも鼻血を出ることがあります。
赤ちゃんや幼児など年齢が低いほど起こりやすいです。
これは、体温調節機能が未熟であるためにです。
風邪をひいて体温が上がると、鼻の毛細血管が切れやすくなりますので、鼻をかんだり、くしゃみをすると鼻血が出ることがあります。
6.アレルギー性鼻炎
一般家庭における鼻血は、そのほとんどがキーゼルバッハ部位の傷によるものですが、近年はアレルギー性鼻炎が、最も多い鼻血の原因となっています。
かゆみが出るために頻繁に鼻をいじり、局所の粘膜が常に傷ついた状態になります。
鼻血を防ぐためには、鼻疾患そのものの予防や治療が重要であるということになります。
アレルギー性鼻炎を原因抗原で分類すると、通年性アレルギーと季節性アレルギーの2つ に分かれます。
通年性アレルギーの原因で最も多いのは、ハウスダストやダニです。
季節に関係なく一年中アレルギー症状を起こし続け、特に自律神経の関与で起こる朝方のくしゃみは「モーニングアタック」と呼ばれます。
季節性アレルギーの原因で多いのは、「花粉症」です。
また、血液検査などでいくら原因抗原を検査しても、原因が特定できないケースがあります。
これは血管運動性鼻炎と呼ばれ、温度変化に過敏な状態で、特に季節の変わり目にくしゃみ、鼻水、鼻づまりを起こすものだと考えられます。
アレルギー性鼻炎を「治す」ことはできませんが、症状を「一時的になくす」あるいは「できるだけ軽くする」ことによって、鼻の粘膜が弱くなるのを防ぐことができます。
鼻の粘膜を健やかに保つことができれば、頻繁に鼻出血を起こすこともなくなるでしょう。
7.鼻出血の原因となる主な疾患
鼻も触らない、傷もないのに頻繁に鼻血が出る場合は、白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)といった血液の疾患の可能性が疑われます。
また、鼻血は高血圧症や動脈硬化症など、血管がもろくなる疾患の症状があります。
○チョコレートと鼻血の関係は都市伝説
「チョコレートを食べると鼻血が出る」という話をよく耳にします。
しかし、医学的に見ても、チョコレートと鼻血の頻度には何の関連もありません。
鼻血が出たときの対処法
1.ややうつむき加減で鼻をつまむ
疾患によるものではない鼻血は、ややうつむき加減で両側の鼻先のふくらんだ部位を強くつまめば数分で止まります。
うなじを叩く人も多くみられますが、これは鼻血を止めるのに役には立ちませんのでやめましょう。
なお、鼻血が多くて血液がのどに流れた場合、飲み込んでしまうと吐き気を催すことがあるので、なるべく飲み込まないようにしましょう。
2.病院で診察を受ける
たびたび鼻血が出たり、15分以上出血が止まらない場合は、血液や鼻の病気の可能性もありますので、かかりつけ医師か耳鼻咽喉科の医師の診察を受けるようにしましょう。
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