メロンを食べたら、舌がピリピリしたり、喉がイガイガする」ような経験はありませんか。
高級果物の定番として知られているメロンを食べて、このような症状が出る場合、メロンアレルギーかもしれません。
実はメロンだけではなく、他の果物にもアレルギーとなる可能性もあるのです。
そして、果物のアレルギーと花粉症には関連があることをご存知でしょうか。
メロンを食べた後に喉がイガイガする原因とは?
喉のイガイガの原因はメロンに含まれている「ククミシン」というタンパク質分解酵素にあります。
このククミシンが唇や口腔、喉のたんぱく質で出来ている表皮(粘膜)を溶かして分解してしまいます。
そして、刺激をダイレクトに受けてしまいますので、イガイガした刺激を感じやすくなるのです。
しかし、このククミシンによるイガイガ感は何もしなくても15分程度で治まるといわれています。
ちなみに、パイナップルも食べるとイガイガ感がありますが、パイナップルにも「プロメライン」というタンパク質分解酵素が含まれているからです。
このタンパク質分解酵素は、その効果故に料理に使うお肉の下処理として使われたりします。
酢豚にパイナップルやステーキ肉をパイナップル汁に漬け込むのも、この効果を利用しているのです。
イガイガ感を解消する方法とは?
1.口をよくすすぎ、タンパク質分解酵素を洗い流す
根本的な原因であるタンパク質分解酵素を洗い流します。
食べた直後にやると効果的です。
2.熱い飲み物でタンパク質を変性させる
アツアツのお茶やコーヒーを飲んで喉のタンパク質を変性させます。
こうすることによってタンパク質分解酵素による影響がなくなります。
3.牛乳を口に含む
牛乳を口に含むと、ククミシンが牛乳のたんぱく質を分解しようとするため、痛みが緩和します。
口腔アレルギー症候群の可能性もある
ククミシンなどが原因の場合は、15~30分程度で症状が治まることが多いですが、しばらく症状が治まらない場合は、口腔アレルギー症候群の可能性があります。
1.口腔アレルギー症候群の症状
口腔アレルギー症候群とは果物や生野菜を食べた後、数分以内に唇、舌、口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどの症状を指します。
中には、アナフィラキシーショックと呼ばれるショック症状を起こすこともあります。
このような症状があらわれても、多くは食後しばらくすると自然に回復します。
2.症状を引き起こす原因
口腔アレルギー症候群は、果物や生野菜に含まれるアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)が、口の中の粘膜に触れて起こるアレルギー反応です。
症状を引き起こすアレルゲンは、植物が病原菌の感染や傷害、ストレスから身を守るための生体防御として誘導されるタンパク質です。
このアレルゲンは小腸に到達する前に壊れるため、主に口の中だけで反応が起きます。
果物アレルギーのみられる果物の例
マタタビ科 | キウイ |
バラ科 | モモ、りんご、ナシ、 サクランボ 、イチゴ |
ウリ科 | メロン、スイカ |
バショウ科 | バナナ |
ミカン科 | オレンジ、レモン |
パイナップル科 | パイナップル |
3.花粉症との関係はあるのか?
花粉症の方には花粉のアレルゲンに対する抗体があります。
生野菜や果物のアレルゲンは花粉のアレルゲンと構造が似ているので、抗体が構造の似たアレルゲンと反応し、口腔内でもアレルギーが起こることがあります。
このため花粉症の人が生野菜や果物を食べたときに口腔アレルギー症候群が発症することがあります。
花粉症との関係
シラカバ花粉症 | マタタビ科 | キウイ |
バラ科 | モモ、りんご、ナシ、サクランボ 、イチゴ | |
ブタクサ花粉症 | ウリ科 | メロン、スイカ |
バショウ科 | バナナ | |
カモガヤ花粉症 | ミカン科 | オレンジ、レモン |
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