
森のバターとして知られるアボカドの原産地は熱帯アメリカの中南米です。アボカドの語源はアステカ族のことばで「生命の泉」や「生命の果実」を意味する“アファカト”だといわれています。
アボカドは野菜ではなく果物の一種ですが、その栄養はトップクラスです。アボカドの特徴は栄養価の高さです。アボカドは熟すと果肉がバターのように柔らかくなり、濃厚なあじわいを醸し出します。
その美味しさに加えて、優れた美容や健康効果もあるので、現代女性を中心に人気があります。
アボカドは栄養の宝庫
アボカドは10種類以上のビタミン、10種類以上のミネラルを豊富に含んだバランスのよいフルーツです。
1.不飽和脂肪酸が豊富
アボカドは森のバターと呼ばれるほど脂肪分の多さで有名です。果肉の約20%が脂肪からできています。アボカドの脂肪にあたる約80%は不飽和脂肪酸からできています。
この不飽和脂肪酸は、オレイン酸やリノール酸という優れた成分からなっており、血中のコレステロールを増加させることはありません。つまり、不飽和脂肪酸は、血中の善玉コレステロールを増やして、悪玉コレステロールを退治する働きがあります。
2.ビタミンEが豊富
アボカドは食べる美容液と呼ばれることでも有名ですが、これはビタミンEが大きく関係しています。このビタミンE にはアンチエイジング効果が期待できることでも知られており、抗酸化作用や老化を防止することでも有名です。
3.ビタミンB6が豊富
ビタミンB6はアミノ酸を代謝するときに重要な成分の一つです。人間の身体は約20%がたんぱく質から構成されており、たんぱく質の原料はアミノ酸です。ビタミンB6が不足するとアミノ酸の代謝に影響します。
ビタミンB6はエネルギーをたくわえ、神経を正常にする働きがありますが、ビタミンB6が不足すると情緒不安定になることでも知られています。
4.食物繊維が豊富
アボカドは食物繊維を豊富に含むので、便秘を防ぎます。その効果はゴボウ以上あるといわれています。腸内環境を正常にすることから、女性を悩ます肌荒れにも最適といえます。
アボカドにはどのような効果・効能があるか
1.ダイエット効果
アボカドは消化に時間の掛かる食物繊維が含まれているため、食前に食べると満腹感を得やすいことから、ダイエット効果が見込まれます。また、脂質の代謝を促進するビタミンB2の働きにより、摂取した食べ物が脂肪になるのを防ぐ効果もあります。
アボカドを1日1回、食事前に半分食べることによって脂肪の吸収が抑えられ、満腹感が得られるので食事の量も無理なく減らすことができますが、カロリーも高いので食べ過ぎると逆効果になりますので注意が必要です。
2.美肌効果
アボカドには、肌のシワやたるみを引き起こす活性酸素を除去する抗酸化作用に優れたビタミンEが豊富に含まれています。また、皮膚や粘膜の健康を維持するナイアシンやビタミンB2も含まれています。
3.便秘解消
数ある果物の中でアボカドはトップクラスの食物繊維の含有量を誇ります。腸内環境を整え、便秘解消に効果があるといわれています。
4.むくみ解消
アボカドには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きのあるカリウムが豊富に含まれていますので、むくみ解消にも効果が期待できます。
5.動脈効果・高血圧予防・老化防止・がん予防
ビタミンA、ビタミンE、鉄やリンなどのミネラルも豊富に含まれているので高血圧や動脈硬化の予防になります。また、抗酸化作用のルテインやゼアキサンチンが肌のシワや老化防止し、抗がん作用の強いファイト・ケミカルと呼ばれるルチンやカロチノイドががん予防になります。
6.肝臓を守る
肝臓で働く抗酸化物質のグルタチオンが豊富に含まれ、飲酒・喫煙等によるアルコールやニコチンなど有害物質の解毒作用を促進します。さらに肝臓を傷つける活性酸素を除去し、肝機能の低下を防止します。
アボカドは高カロリーだがダイエット促進効果あり
アボカドの成分のうちもっとも多く含まれているのは脂質で、果肉100gあたりにつき、約19gもの脂質が含有されています。この量は果物の中ではトップクラスの含有量です。また、カロリーは、1個のアボカドあたり約220calです。
これはおよそ茶碗1杯の白米に相当します。これだけを聞くとアボカドはおよそダイエットには不向きな食材のように思えますが、この豊富に含まれている脂質がダイエットを助ける効果を持っています。
アボカドに含まれる脂肪分の中にオレイン酸が含まれ、そのオレイン酸は、脂肪がつきにくくし、脂質の代謝を活性化させる効果があります。
ダイエットといえば、一般的には身体の脂肪を減らすことを指し、脂質の摂取は避けるべきと考えがちになりますが、脂肪を代謝するためには良質な脂質を摂取する必要があるのです。
アボカドの食べ過ぎで起こる症状
アボカドは栄養価が高くて良い食材ではあるのですが、逆に食べ過ぎると、身体に変調を来すため注意が必要です。
1.アボカドの食べ過ぎで起こる身体の不調
吐き気、下痢、、便秘、肌荒れ、胸やけ、胃もたれ、胃痛などがあります。食べ過ぎで不調になる原因が、脂肪分が他の果物よりもかなり高く、そして脂質も多い点です。
普段から油っこい料理を食べる、体の不調が起こりやすい場合は、アボカドを丸ごと1個食べるのではなく、半分程度に抑えるようにしましょう。
2.アボカドを食べると引き起こされるアレルギー
アレルギーとは免疫反応が特定の物質に対して過剰反応することです。アボカドを食べることが引き金となって起こるアレルギーの中には、少量の摂取なら平気でも、多量摂取となると症状が現れるものがあります。
口の周りがヒリヒリする、唇が腫れる、喉がかゆくなるなどの症状が現れることがあります。唇の腫れ、喉のかゆみは口腔アレルギー、通称ラテックスフルーツ症候群と呼ばれるもので、特に花粉症の方に起こりやすい傾向があります。
アボカドの他にラテックスフルーツ症候群を起こす食べ物としては、キウイ、マンゴー、メロン、スイカ、バナナなど、暖かい地域で栽培されているものが挙げられます。
アボカドの賞味期限はどれくらいか
1.アボガドの保存期間
購入時・入手時の鮮度・追熟状態により個々の状態が異なることもあり、賞味期限は定まっていませんが、目安となる保存期間は鮮度が良い状態であれば以下のようになります。
(1)アボガドの冷蔵保存期間
乾燥防止のためにラップでしっかり包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室にて冷蔵保存すれば2~3日程度が目安となります。
(2)アボガドの冷凍保存期間
皮を剥き種をとりレモン汁をかけラップでしっかり包んで冷凍保存すれば1~2ヶ月程度が目安となります。
2.アボガドの傷み具合の判断
アボガドが傷んでいると見られる症状は、下記の通りです。
(1)食べられる状態
一部のみが茶色に変色しているときはその部分を取り除けば、概ね食べることができます。
(2)食べられない状態
切ったとき茶色に変色している、異臭がする、変な汁がでている、黒く変色しているなどの状態は食べるのを控えましょう。
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