
かぼちゃといえば夏の野菜ですが、和食として、冬至かぼちゃなどの煮物をはじめサラダ・スープ・スイーツなど様々な食事に利用されている、日本でも誰もが知っているメジャーな野菜の一つです。
また、かぼちゃは実だけではなく、皮や種、ワタにまで、豊富な栄養素がバランスよく含まれていて、捨てるところのないかぼちゃ。そんな身近なかぼちゃですが、その栄養や効能について知っていますか。
かぼちゃの原産地は?
かぼちゃの名の由来は、ポルトガル人が寄港地のカンボジアからもたらしたことにちなむといわれています。かぼちゃは、大きく分けて「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3種類があります。最初に日本に伝来したのは「日本かぼちゃ」です。
味は淡泊ですが、粘りがあり、煮くずれしにくいので、煮物や蒸しものに向いています。現在では糖質の多い「西洋かぼちゃ」が日本でのかぼちゃの大半を占めています。
かぼちゃの主な栄養素とは?
かぼちゃは栄養の宝庫です。β-カロテンをはじめ、ビタミンCやE、B1、B2、ミネラルや食物繊維なども含んでいます。β-カロテンは実より皮の部分に多く含まれているので、一緒に調理して食べるようにするとよいでしょう。
西洋かぼちゃの主な栄養成分(可食部100gあたり)
ビタミンA(β-カロテン) | 4000μg |
ビタミンB1 | 0.07mg |
ビタミンB2 | 0.09mg |
ビタミンC | 43mg |
ビタミンE | 6.3mg |
食物繊維 | 3.5 g |
かぼちゃの効能とは?
1.ダイエット・便秘
かぼちゃに含まれる不溶性食物繊維の働きにより、腸内の運動が活発になり便秘予防につながります。有害物質のデトックス効果も期待できるので腸内環境改善にも期待できます。
2.アンチエイジング
βカロテンを始めとする栄養素に含まれる抗酸化作用は、肌の酸化も防いでくれるため、シミやシワ、たるみなどの老化現象の予防に効果があります。また、ビタミンAには皮膚粘膜のほか、髪の健康維持にも役立ちます。
さらに、ビタミンCは、コラーゲンの生成を助けることによる美肌効果があることでよく知られています。
3.風邪予防
冬場に流行する風邪やインフルエンザなどの感染症予防に効果があるのは、βカロテンから作られるビタミンAです。ビタミンAには免疫機能を正常に保つ作用があるため、菌やウイルスに対する抵抗力を強化してくれます。
さらに粘膜の保護、喉や鼻からウイルスが侵入も防ぎます。また、ビタミンCにも風邪を予防する効果が期待できます。
4.病気の予防
βカロテンが持つ強い抗酸化作用は、活性酸素を除去して、コレステロールを始めとする各組織が酸化することを防ぎます。動脈硬化などの生活習慣病を始め、がんの予防も期待できます。
また、ビタミンEにも抗酸化作用があり、さらに血管を強くしてくれるため、動脈硬化の予防に期待でき、カリウムはナトリウムの排出や利尿作用により、主に高血圧の予防に期待できます。
5.眼精疲労
かぼちゃには「ルテイン」という成分も豊富に含まれています。このルテインの効果もまた抗酸化作用。特に眼球内でその効果を発揮するもので、眼精疲労を始め、視力の回復、眼病予防に期待できます。
また、ビタミンAにも粘膜の維持により視力を回復させる効果があるため、かぼちゃは眼にも良い野菜といえます。
かぼちゃの保存方法とは?
カットしていない丸ごとの状態の場合、風通しのよい涼しいところで1-2ヶ月保存が可能です。カットした場合は、種とワタの部分から傷むので、必ずきれいに取り除いてからラップをして、冷蔵庫の野菜室で保存し、1週間くらいで使い切りましょう。
また、冷凍保存するときは、カットして茹で、よく冷ましてからくっつかないように少し離すか、または、粗く潰してから保存袋にいれて冷凍するとよいでしょう。
かぼちゃの効果的な調理方法や食べ方とは?
1.摂取した栄養素によって調理方法が変わる
かぼちゃに含まれる栄養素のうち、ビタミンA、Eは脂溶性、つまり油に溶けやすいビタミンに分類されます。熱にも強いので、油や肉と一緒に加熱して食べるのがおすすめです。
一方、ビタミンCやビタミンB1は水溶性、つまり水に溶けやすいビタミンで、熱にも弱く加熱し過ぎると壊れてしまいます。電子レンジなどでサッと熱を通して食べるようにしましょう。
このように摂取したい栄養素によって適した食べ方が違うため、同じメニューを食べ続けるのではなく、煮物にしたり蒸したりと、調理方法を工夫していろいろな食べ方をすることが、まんべんなく栄養を摂るための秘訣といえます。
2.かぼちゃの皮や種も栄養が豊富
調理方法とともに意識しておきたいのが、皮や種の取り扱いです。固い皮は捨ててしまいがちですが、βカロテンや食物繊維は皮の部分に豊富に含まれています。やわらかく煮るなどして、皮ごと食べるとよいでしょう。
また、かぼちゃの種にはカルシウムやビタミンB1、B2、ナイアシンなど、低血圧や貧血が気になる方におすすめの栄養素がつまっています。こちらも、洗って天日に干したものをフライパンで煎ると、健康的なおやつになりますので、作り置きしておくとよいでしょう。
かぼちゃの効果的な食べ合わせとは?
かぼちゃとニンジン、なす、ホウレンソウ、牛乳などと一緒に食べるとがん予防の効果があります。また、アスパラガス、くらげ、わかめ、小豆などと一緒に食べると腎臓病によるむくみの解消に効果があります。
さらに、椎茸、えんどう豆、牛肉、カツオなどと一緒に食べると胃腸を丈夫にし体力増強に効果があり、昆布、ふき、銀杏、栗、はちみつと一緒に食べると気管を整え咳や痰を抑える効果があるといわれています。
かぼちゃの見分け方・選び方とは?
カットしていない丸ごと1個の場合は、緑色が濃く、ずっしりして重量感があり形が整っているものを選びます。
かぼちゃは収穫後しばらく熟成させたものの方がおいしくなるので、ヘタのまわりがくぼんでいたり、ひびが入っていたりするもの、あるいはコルクのように乾燥しているものは完熟している証拠です。
ヘタのまわりを押してみてやわらかいものはさけましょう。カットしたものは、果肉の色が濃くて締まっており、種がつまってワタが乾いていないものを選ぶとよいでしょう。
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