生命保険に興味はあるけれど、「種類が多すぎて選べない」「本当に必要なのか分からない」と感じている方は多いのではないでしょうか。
生命保険は万が一の備えとして大切な役割を果たしますが、仕組みや種類が複雑で、初心者にとってはハードルが高く感じられるかもしれません。
この記事では、そんな生命保険の基本を分かりやすく解説し、自分に合った保険を選ぶためのポイントをお伝えします。
生命保険を正しく理解すれば、将来への備えがより安心で確実なものになります。
この記事を読むことで、以下の3つのポイントがわかります。
・生命保険の基本的な種類とそれぞれの特徴
・自分に合った保険を選ぶためのチェックポイント
・契約前に確認すべき重要事項
知識がないまま契約してしまうと、「思っていた保障が受けられない」「保険料が高すぎる」といった後悔に繋がりかねません。
しかし、基本を押さえておけば、自分や家族を守るために最適な選択ができるようになります。
それでは、生命保険の基本について一緒に学んでいきましょう!
生命保険の基本概念

生命保険とは、私たちが不慮の事故や病気で亡くなったりした場合、遺された家族が経済的に困らないようにするための保険です。
具体的には、契約者が毎月一定の保険料を支払い、万が一のことがあった場合に保険金が支払われる仕組みです。
生命保険の仕組み
契約者:
生命保険に加入する人で、保険料を支払います。
被保険者:
保険の対象となる人で、一般的には契約者本人や家族です。
受取人:
保険金を受け取る人で、遺族や指定された相続人が該当します。
万が一の事態が発生したとき、受取人に保険金が支払われます。
この保険金は、家族の生活費や教育費、住宅ローンの返済などに充てられます。
生命保険の種類
生命保険にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴があります。
定期保険
一定期間(5年、10年、20年など)だけ保障が続く保険です。
保険期間中に万が一のことがあった場合に保険金が支払われます。
保険期間が終了すると保険は無効となり、解約返戻金はありません。
終身保険
一生涯保障が続く保険です。
保険料を払い続ける限り、いつ亡くなっても保険金が支払われます。
解約した場合には解約返戻金が支払われます。
養老保険
一定期間(10年、20年など)保障が続き、満期になると満期保険金が支払われます。
保険期間中に万が一のことがあった場合には死亡保険金が支払われます。
学資保険
子供の教育資金を積み立てるための保険です。
子供が一定の年齢に達したときに祝い金や満期保険金が支払われます。
万が一のことがあった場合には、親の代わりに保険会社が保険料を払い続けます。
生命保険の役割
生命保険は、家族の生活を守るための重要な手段です。
以下のような役割があります。
家族の生活費の支援:
万が一のことがあった場合、遺された家族が経済的に困らないように保険金が支払われます。
住宅ローンの返済:
保険金を使って住宅ローンの返済を行うことができます。
教育費の確保:
子供の教育資金を確保するために学資保険が利用されます。
生命保険の種類と特徴

生命保険にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。
以下に代表的な生命保険の種類とその特徴を詳しく解説します。
定期保険
特徴
定期保険は、一定の期間(例えば5年、10年、20年など)だけ保障が続く保険です。
期間内に万が一のことがあった場合に保険金が支払われます。
期間が終了すると保険は無効となります。
メリット
・保険料が比較的安い
・必要な期間だけ保障を確保できる
デメリット
・解約返戻金がない
・期間が過ぎると保障がなくなる
終身保険
特徴
終身保険は、一生涯保障が続く保険です。
保険料を払い続ける限り、いつ亡くなっても保険金が支払われます。
解約した場合には解約返戻金が支払われます。
メリット
・一生涯の保障が得られる
・解約返戻金がある
・保険料が一定
デメリット
・保険料が高め
・解約返戻金が一定期間経たないと増えない
養老保険
特徴
養老保険は、一定期間(例えば10年、20年など)の間に保障が続き、満期になると満期保険金が支払われます。
保険期間中に万が一のことがあった場合には死亡保険金が支払われます。
メリット
・満期保険金が支払われる
・貯蓄性がある
デメリット
・保険料が高め
・定期保険よりも保障期間が短い
学資保険
特徴
学資保険は、子供の教育資金を積み立てるための保険です。
子供が一定の年齢に達したときに祝い金や満期保険金が支払われます。
万が一のことがあった場合には、親の代わりに保険会社が保険料を払い続けます。
メリット
・教育資金の確保ができる
・親の死亡時に保険料が免除される
デメリット
・保険料が高め
・解約すると解約返戻金が少ない
自分に合った生命保険の選び方

生命保険を選ぶ際には、ライフステージやニーズに応じて最適な保険を選ぶことが大切です。
以下に、各ライフステージやニーズに応じた保険の選び方をアドバイスします。
独身のとき
ニーズ
・自分自身の医療費や万が一のときの葬儀費用をカバーする
おすすめの保険
医療保険:
病気やケガの際にかかる医療費をカバーします。
定期保険:
一定期間の保障が得られるため、短期的なニーズに適しています。
結婚したとき
ニーズ
・配偶者への経済的な保障を提供する
おすすめの保険
終身保険:
一生涯の保障が得られるため、万が一のときに配偶者への経済的な支援が可能です。
養老保険:
貯蓄性があり、満期時には満期保険金が支払われます。
子供が生まれたとき
ニーズ
・子供の教育資金や生活費を確保する
おすすめの保険
学資保険:
子供の教育資金を積み立てるための保険で、一定の年齢に達したときに給付金が支払われます。
終身保険:
子供が独立するまでの経済的な支援を提供します。
住宅を購入したとき
ニーズ
・住宅ローンの返済を保障する
おすすめの保険
定期保険:
一定期間の保障が得られるため、住宅ローンの返済期間に合わせた保険が選べます。
団体信用生命保険:
住宅ローンを組む際に加入する保険で、借り主が亡くなった場合にローンが完済されます。
リタイアしたとき
ニーズ
・老後の生活費や医療費を確保する
おすすめの保険
終身保険:
一生涯の保障が得られるため、老後の経済的な支援が可能です。
医療保険:
老後の医療費をカバーします。
その他のニーズ
ニーズ
・介護費用を確保する
・自分の生活費を補う
おすすめの保険
介護保険:
介護が必要になったときの費用をカバーします。
収入保障保険:
毎月一定額の保険金が支払われ、自分の生活費を補うことができます。
生命保険加入時の注意事項

生命保険は大切な決断です。
友人や知人の義理で加入して後悔することがないように、ここでは加入時の注意事項を紹介します。
生命保険を選ぶポイント
目的を明確にする
まず、生命保険に加入する目的をはっきりさせましょう。
例えば、老後の生活費をカバーするため、または家族の生活を守るためです。
目的が決まれば、適切な保険が見つかります。
受取人を決める
受取人の選択、変更は自由にできますが、誰を受取人にするかで必要な保険が異なります。
よく考えて決めましょう。
保険の種類を選ぶ
生命保険には「終身保険」「定期保険」「養老保険」の3つのタイプがあります。
どれにするかを決めましょう。
保障内容・金額・特約に注意
パンフレットを読む際は、保障内容、保障金額、特約に注目しましょう。
内容をしっかり確認します。
条件や内容の確認
保険加入後に条件が違ったと感じても、保険約款に定めがある限り、訂正や取り消しは難しいです。
保険約款をしっかり読み、トラブルを防ぎましょう。
配当金について考える
保険会社や種類によって配当金が異なります。
配当金の受取り方法も確認しましょう。
健康状態を考慮する
健康状態によっては加入できない保険もあります。
告知内容が正確でないと、保険金が支払われないこともありますので注意が必要です。
生命保険の保険約款
生命保険は契約内容を明確にするためのもので、保険約款には以下の内容が含まれます。
・保険会社の責任開始期日
・保険金の支払い
・保険料の払込み
・保険契約の無効および解除
・配当
・保険契約の解約および払戻金
・保険契約の内容の変更
・契約者に対する貸付け
・保険約款の拘束力
契約は当事者が合意した内容に限って拘束力が生じますが、保険加入者が保険約款を読んでいなくても拘束されます。
地震などの特定の災害にも対応するためには、特約が必要になることがあります。
生命保険の加入窓口

生命保険に加入するための窓口はさまざまな種類があります。
ここでは、対面型と通販型の二つに分けて説明します。
対面型
保険会社の営業職員
生命保険会社の営業職員が自宅や会社に訪問し、保険プランの提案から加入手続きまで行います。
メリットは、都合の良い日時に相談でき、保険加入後のメンテナンスや保険金の請求などのサポートが受けられることです。
ただし、自社商品しか取り扱わないため、選択肢が少ない点がデメリットです。
乗合代理店
複数の生命保険会社と代理店契約を結び、さまざまな商品を取り扱う代理店です。
ライフプランに基づいた保険プランの提案が受けられ、複数の商品を比較検討できます。
ただし、来店型の代理店では店舗に出向く必要がある点がデメリットです。
専属代理店
1社の生命保険会社の商品を取り扱う代理店で、保険プランの提案・販売・手続きを行います。
メリットは、専門的なアドバイスが受けられることですが、1社の商品しか取り扱わないため、選択肢が限られる点がデメリットです。
金融機関(銀行・証券会社)
銀行や証券会社が生命保険会社と提携し、オリジナル商品を開発・販売しています。
他の金融商品とセットで相談できるメリットがありますが、取り扱っている商品が少ない点がデメリットです。
通販型
テレマーケティング
電話営業を中心に保険の販売を行います。
資料請求や質問はコールセンターで対応し、加入手続きは郵送で行います。
営業職員と対面する必要がない点がメリットですが、自分で商品を理解し比較する必要があります。
インターネット通販
インターネット上で契約を完結させる方法です。
商品の確認や資料請求、保険料の見積もり、加入手続きまでインターネット上で行います。
保険料が割安で加入手続きが簡単ですが、自分で商品の理解と比較を行う必要があります。
保険金受取人の指定と変更

生命保険に加入する際、受取人の指定と変更は重要なポイントです。
税金や家族関係の変化に対応するため、受取人についての知識を持っておきましょう。
保険金の受取人の指定について

(※1)受取人を指定する際には、以下の制限があります。
これにより、保険金が不正に支払われることを防ぎます。
指定できる受取人
・配偶者
・一親等(親・子)
・二親等(祖父母・兄弟・姉妹・孫)
二親等内の血族がいない場合
三親等内の血族(叔父・叔母・甥・姪)を指定できる場合もあります。
内縁関係・婚約者の場合
血縁関係がない場合でも、一定の基準を満たせば指定できることがあります。
(※2)指定しない場合、保険契約者が保険金を受け取りますが、本人が死亡しているため、相続人が受け取ることになります。
長期の生命保険では、受取人が変更になることが多いため、「相続人」と指定することもあります。
受取人による税金の違い
受取人を誰にするかによって、保険金にかかる税金が変わります。
契約者、被保険者、受取人によって、受け取る保険金は、相続税・贈与税・所得税(+住民税)のいずれかの課税対象となります。
死亡保険金にかかる税金は以下のようになります。

(※3)死亡保険金の一時所得は総合課税または源泉分離課税の選択可
3つのパターンのうち、税制上有利なのは相続税です。
生命保険の非課税分や葬儀費用も非課税となり、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)が適用されます。
また、配偶者控除(1億6,000万円まで非課税)も利用できます。
保険金の受取人の変更について
生命保険に長く加入していると、受取人を変更することが考えられます。
基本的に受取人の変更はいつでも可能で、手続きも何度でも行えます。
手続き方法
・受取人の承諾は不要
・被保険者の承諾は必要(契約者と被保険者が同じ場合は不要)
遺言による変更
遺言によって受取人を変更することも可能ですが、遺言書が法律上適切でない場合には変更が認められないことがあります。
また、遺言の有効性確認などの手続きが必要となり、保険金の支払いまでに時間がかかることがあります。
生命保険加入時の告知義務

生命保険に加入する際には、告知義務があります。
この義務に違反すると保険金が支払われないことがありますが、すべての場合で契約が解除されるわけではありません。
どのような場合が該当するのか見ていきましょう。
告知義務とは?
保険に加入する際に行うべき告知は、義務化されています。
守らないと、保険金が受け取れなくなったり、病気になった場合に保険が解除されることがあります。
告知義務の詳細
告知義務者
告知義務を負うのは、契約者および被保険者です。
告知の方法
医師の健康診断を受けない保険契約では、告知書(告知欄)に記載して告知が完了します。
医師の健康診断を受ける保険契約では、医師が告知書に基づき質問し、それに答える方法で告知が行われます。
告知義務違反について
違反の影響
告知書に事実を正確にもれなく記載しなかった場合、告知義務違反となります。
この場合、保険会社は契約締結から5年間、保険契約を解除することができます。
保険事故発生前後を問わず、告知義務違反で解除された場合、保険金は支払われません。
解除要件
告知義務違反で解除するには、告知義務者に悪意または重過失があることが必要です。
悪意とは、告知すべき事項を知っていた場合、重過失とは、少し注意すれば知り得た場合を指します。
解除権の消滅
次の場合には、生命保険会社の解除権が消滅します。
・保険契約をした日から5年を超えて保険契約が継続したとき
・生命保険会社が告知義務違反を知った日から1ヶ月以内に解除しなかったとき
・告知義務違反に基づかない保険事故が発生したことを受取人が証明できたとき
告知すべき「重要な事項」
告知すべき「重要な事項」とは、保険契約を締結する際に将来のリスクを判断するための事項です。
具体的には、以下のようなものがあります。
・被保険者の年齢、性別、所在地、職業
・最近の健康状態、既往歴、持病の有無、身体の障害
・重複契約の有無、受療(入院・通院・手術)歴
告知すべき事項かどうかの裁判例
告知すべきとされた例:
他の生命保険会社から保険契約の締結を拒否された事実、入院を勧告され入院の予約をした事実
告知すべきでないとされた例:
小学校の教員であるところを貿易商と偽った事実、他の生命保険会社と保険契約を締結した事実
保障開始時期とクーリングオフ制度

生命保険に加入する際には、保険金や給付金の支払いなどの契約上の責任がいつから始まるのか、また、加入後に契約を撤回できる制度であるクーリングオフについて知っておくことが重要です。
生命保険会社の責任開始時期
生命保険への加入の申込みに対して、生命保険会社がこれを承諾することを「責任開始期」といいます。
契約上の責任が開始されるためには、生命保険会社の承諾が前提となります。

告知書による契約(医師の診査を行わない契約)の場合
以下の3つのパターンがあります。
・告知書による申込みおよび第1回保険料払込みを同時に行い、生命保険会社の承諾を得る。
・告知書による申込み後、第1回保険料払込みを行い、生命保険会社の承諾を得る。
・告知書による申込み後、生命保険会社の承諾を得てから第1回保険料払込みを行う。
どの場合も、責任開始日は保険料の払込日にさかのぼります。
医師の診査による契約の場合
以下の4つのパターンがあります。
・申込み後、医師による診査を経て生命保険会社の承諾を得て、第1回保険料払込みを行う。
・申込み後、医師による診査を経て第1回保険料払込みを行い、生命保険会社の承諾を得る。
どの場合も、責任開始日は保険料の払込日にさかのぼります。
・申込み後、第1回保険料払込みを行い、医師による診査を経て生命保険会社の承諾を得る。
・申込みおよび第1回保険料払込みを同時に行い、医師による診査を経て生命保険会社の承諾を得る。
どの場合も、責任開始日は診査のあった日にさかのぼります。
クーリングオフ制度
契約締結後、一定期間内に消費者が無条件で申込みの撤回または契約の解除ができる制度を「クーリングオフ」といいます。
特定商取引に関する法律第9条に基づき、契約を証する書面を受け取った後、8日以内であれば、書面により契約申込みの撤回や契約の解除ができます。
申込みの撤回方法
生命保険会社宛に郵便で申込みの撤回を行います。
内容証明郵便を使用することが確実です。
書面には以下の内容を記載します。
・契約者の住所・氏名
・領収証番号
・担当外務員の氏名
申込みの撤回期間
生命保険会社からクーリングオフの内容が記載された書面を受け取った日と申込みをした日とのいずれか遅い日から起算して8日以内です。
法律上、8日間という決まりがあり、これより短い期間を設定することはできませんが、逆に長い期間を設定することは可能です。
申込みの撤回の効果
保険契約はなかったことになり、払い込まれた保険料の全額が返還されます。
クーリングオフ制度が適用されないケース
次の場合、クーリングオフ制度は適用されません。
・保険契約することを明らかにした上で、予約訪問して契約した場合
・申込者が自分で指定した場所で契約した場合
・契約にあたって医師の診査を受けた場合
・営業、事業のために締結した契約の場合
・法人、社団等が契約した場合
・保険期間が1年以内の契約の場合
保険料の払込方法と猶予期間

生命保険契約が成立すると、保険料の支払義務が発生します。
ここでは、保険料の払込方法と猶予期間について説明します。
保険料の払込方法
払込方法(回数)
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保険料の支払方法は年間の払込回数を決めることができます。
一般的に、月払いよりも半年払い、半年払いよりも年払いの方が保険料が割安になります。
保険料前納のメリット
一定期間の保険料をまとめて前納することで、生命保険会社所定の利率により割引が受けられます。
2~3年分の保険料を前納すると、分割払いよりも保険料が少なくなり、有利です。
払込方法(経路)
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一般的には自動振替が利用されています。
勤務先が団体保険に加入している場合は、給与引き落としの方法もあります。
払込期間

保険料の払込み猶予期間
保険料の払込猶予期間とは、期日までに保険料を支払わなかった場合でも、その後の一定期間内に支払えば保険契約に影響がないとされる期間です。
猶予期間内に保険料を払い込めば、払込期日に支払われたものとみなされ、保険契約は有効に継続されます。

払込猶予期間の種類
保険料の払込方法(回数)によって猶予期間は異なります。
ただし、保険約款によっては払込方法による区別がない場合もあります。
契約応当日がその月にない場合
契約応当日が31日で31日がない月の場合などは、その月の末日が払込期日となります。
払込猶予期間が経過した場合
猶予期間が経過しても保険料が支払われない場合、生命保険契約は失効します。
その場合、解約返戻金を受け取るか、復活手続きを行って契約を有効に戻すかを選択しなければなりません。
保険契約の失効と復活

生命保険を契約した後は、保険料の払込みが必要です。
継続して支払いを続けることが重要ですが、万が一、支払いが滞って保険契約が失効しても、復活させる方法があります。
保険契約の失効について
保険料の払込み猶予期間を過ぎても支払いがない場合、保険契約は失効します。
失効すると、その日から保険契約の効力が失われ、生命保険会社は保険金の支払義務を負いません。
失効後の選択肢
失効後、保険契約者は以下の方法を選択できます。
解約:
解約返戻金を受け取る。
ただし、払い込んだ保険料の総額より少ない金額となることが多いです。
復活:
生命保険会社の定める期間内に、それまで支払っていなかった保険料をまとめて支払えば、失効した保険を復活させることができます。
保険契約の復活について
保険契約が失効しても、生命保険会社の定める期間内(通常は3年)に、未払いの保険料を支払えば復活できます。
ただし、復活には告知書の提出が必要で、失効後に病気になった場合、同じ条件で復活できないことがあります。

復活手続きのポイント
・生命保険会社の復活期間を確認する。
・告知書への正確な記載が必要。
・告知義務違反があると契約が解除され、保険金が支払われない可能性がある。
保険契約の失効を防ぐ方法
保険料の払込みが止まると保険契約が失効しますが、以下の方法で失効を防ぐことができます。
猶予期間内の支払い
払込猶予期間内に保険料を支払いましょう。
自動振替貸付制度
解約返戻金の範囲内で自動的に保険料を立て替えてくれる制度を利用する。
この制度を利用すれば、保険契約は継続されます。振替えられたお金は、いつでも返済可能です。
ただし、返済しないまま満期を迎えると契約が失効するので注意が必要です。
保険料が支払えなくなったときに検討すべき事項

生命保険は長期間にわたるものです。一時的な失業などで保険料の支払いが困難になることもありますが、長期間払い続けた保険を失効・解約させるのは得策ではありません。
契約を活かす方法を確認しましょう。
安易に解約はしない
保険料は性別と加入時の年齢で決まります。
数年経過後に解約し、再加入する場合、年齢が上がっているため保険料も高くなります。
また、病気を患った場合、新たに加入できないこともあります。
解約は慎重に検討しましょう。
一時的に保険料の支払いが困難な場合
保険を継続するために「自動振替貸付制度」を利用しましょう。
生命保険会社が未払い保険料を自動的に立て替えてくれる制度です。
自動振替貸付が行われる条件
・保険契約者からの反対の申し出がないこと
・解約返戻金が未払い保険料とその利息の合計額を超えていること
貸付金には利息がつきますが、いつでも返還可能です。
保険料を減額して継続する場合
保険料の負担を軽くする方法として、「保険金額の減額」があります。
一部解約となり、解約返戻金がある場合は返還されます。
保険料を支払わずに契約を続けたい場合
払済保険
保険料の払込みを中止したときの解約返戻金を一時払いの保険料として、養老保険や同種類の保険に変更できます。
保険金額は減少します。
延長(定期)保険
解約返戻金を一時払いの保険料として、定期保険に切り替えます。
変更前の保険契約への復旧
払済保険や延長保険への変更後、生命保険会社の定める期間内(2~3年以内)であれば、手続きを経て元の契約に復旧できます。
今の契約を活かすことを考える
保険料が支払えないからといって、すぐに解約する必要はありません。
大切な保障を失わないように、「自動振替貸付制度」、「保険金額の減額」、「払済保険」、「延長(定期)保険」を利用し、契約を有効に活用しましょう。
保険期間中にお金を借りる

一時的に資金が必要になったとき、生命保険に加入していると解約返戻金の範囲内で生命保険会社からお金を借りることができる制度があります。
契約者貸付制度について
契約者貸付とは、保険契約者が一時的に資金を必要としたときに契約している生命保険(終身保険、養老保険、学資保険など)の解約返戻金を担保に生命保険会社からお金を借りる制度です。
住宅ローンを組むなど一時的にまとまったお金が必要な場合に利用されます。
借りられる金額
通常、解約返戻金額の70~90%の範囲内で借りられます。
具体的な金額は保険約款に定められています。
貸付手続きと返済について
貸付手続き
契約者貸付を利用できるのは「契約者」のみです。
被保険者や受取人は利用できません。
所定の書類の提出が必要で、生命保険会社によってはATM・CDからカードを使って貸付を受けることも可能です。
貸付利率
貸付金には所定の利息(複利)がつきます。
利率は契約した生命保険の予定利率に1~2%を上乗せした程度です。
バブル期の保険は予定利率が高いため、貸付利率も高くなることがあります。
返済方法
「一括返済」「一部返済」「利息のみ返済」の3通りから選べます。
一時的に利息のみ返済し、後に元金をまとめて返済する方法もあります。
祝い金・満期金等の取扱い
学資保険など祝い金がある場合、祝い金から返済額を差し引いた金額が給付されます。
返済期限
返済期限は特に定められていません。
満期や被保険者の死亡時には満期保険金・死亡保険金から元金と利息が差し引かれます。
契約失効
契約者貸付を利用すると、利息は毎年元金に繰り入れられ、元利金は年々膨らみます。
貸付の元利金が解約返戻金を超えた場合、生命保険会社から通知された金額を期限内に払い込まないと保険契約は失効します。
契約者貸付は一時的な利用に限る
契約者貸付は便利な制度ですが、使い方を間違えると保険がなくなってしまう恐れがあります。
計画的な返済が必要で、一時的に資金が必要な場合に限り利用しましょう。
一時的に保険料の支払いが困難な場合、保険の利用目的を維持するために契約者貸付を利用するのは良いですが、そうでない場合は安易に利用せず、保険の解約や保障内容を見直すことを優先しましょう。
生命保険はいつでも解約できる

生命保険に加入していても、必要がなくなった場合、保険契約者はいつでも保険契約を解約できます。
解約には特別な制限はなく、生命保険会社は保険契約者からの申し出に応じなければなりません。
解約すると今まで支払った保険料は返還されませんが、解約返戻金が支払われます。
解約によって契約は消滅し、以降の保障はなくなりますが、解約前に発生した保険事故については解約後でも保険金や給付金を請求できます。
ただし、特約付の保険契約では特約のみの解約は可能ですが、主契約を解約して特約のみを継続することはできません。
一度解約すると後戻りはできないため注意が必要です。
解約返戻金について
解約返戻金とは、被保険者のために積み立てた責任準備金から一定額を差し引いた残りの金額で、保険契約が解約された際に保険契約者に返還されます。

生命保険解約によるメリット
家計の改善
生活状況が変化し保険料の支払いが困難になった場合、無理に支払いを続けるよりも解約して家計を優先することが大切です。
一定期間が経過していれば、払済保険への変更も可能です。
解約返戻金が高くなる
主契約の解約返戻金が特約の解約返戻金よりも多いです。
特約のみを解約することで解約返戻金が増加します。
保障内容を確認し、不要なものを解約しましょう。
生命保険解約によるデメリット
解約返戻金が少なくなる
養老保険や終身保険など積立型の保険は解約返戻金が少なくなることがあります。
特に短期間で解約すると、支払った保険料の一部しか戻らないことが多いです。
保険の再加入に支障がある
解約後に再加入する場合、健康状態によっては新たに加入できないことがあります。
また、年齢が上がるため保険料も高くなります。
解約する前に注意しておきたいポイント
解約する場合の損得を考える
損となる場合:
終身保険など貯蓄性の高い保険、予定利率の高い保険、一時払いした保険。
得になる場合:
保障ニーズが変わったとき。
新たに加入し直す保険が有利とは限らない
加入し直す時点での年齢や予定利率によって保険料が高くなることがあります。
新たに加入しようとしている保険が本当に必要な保障かよく検討しましょう。
解約するタイミングに注意
新たに加入する保険の保障開始日が完了する前に現在加入している保険を解約すると、保障の空白期間が生じることがあります。
次の新しい保険の保障が開始された日以降に解約するようにしましょう。
生命保険を継続する方法
保険料の支払いが困難となったり、現在加入している生命保険が不要となった場合、生命保険を継続する方法をまとめると以下のようになります。

生命保険の見直しのタイミングと方法

生命保険は長い間継続するものですが、ライフイベントや年齢に応じて見直すことが大切です。
以下に、見直しのタイミングと方法を紹介します。
結婚したとき
見直しのポイント
・配偶者のための保障を増やす。
・世帯収入や支出に応じた保険料の見直し。
おすすめの方法
・終身保険や養老保険など、一生涯の保障が得られる保険を検討しましょう。
・夫婦でそれぞれ保険に加入することも考慮しましょう。
子供が生まれたとき
見直しのポイント
・子供の教育資金や生活費を確保するための保障を増やす。
・家族の生活費や将来の支出に応じた保険料の見直し。
おすすめの方法
・学資保険や終身保険を検討しましょう。
・必要な保障額を計算し、適切な保険に加入しましょう。
住宅を購入したとき
見直しのポイント
・住宅ローンの返済を保障する。
・住宅購入後の家計に応じた保険料の見直し。
おすすめの方法
・定期保険や団体信用生命保険を検討しましょう。
・住宅ローンの返済期間に合わせた保険を選びましょう。
リタイアしたとき
見直しのポイント
・老後の生活費や医療費を確保する。
・定年退職後の収入に応じた保険料の見直し。
おすすめの方法
・終身保険や医療保険を検討しましょう。
・老後の生活に必要な保障額を計算し、適切な保険に加入しましょう。
その他のライフイベント
見直しのポイント
・介護費用や自分の生活費を確保する。
・自身の年齢や健康状態に応じた保険料の見直し。
おすすめの方法
・介護保険や収入保障保険を検討しましょう。
・必要な保障額を計算し、適切な保険に加入しましょう。
見直しのタイミング
結婚・出産・住宅購入などのライフイベント:
家族構成や生活環境が変わるときに見直しが必要です。
定期的な見直し:
数年ごとに保険内容を確認し、ライフステージやニーズの変化に応じて調整しましょう。
年齢に応じた見直し:
年齢が上がると保障ニーズも変わるため、適宜見直しを行いましょう。
まとめ

生命保険は人生のリスクに備えるために欠かせないものですが、選び方を間違えると後悔してしまう可能性もあります。
この記事を通じて、生命保険の基本をしっかりと理解できたでしょうか?
保険選びで失敗しないためには、まず基本を押さえた上で、自分や家族のライフスタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。
実際に保険を選ぶ際は、保険会社や代理店の担当者に疑問点をしっかり確認し、自分のニーズに合った保障内容を選びましょう。
今すぐできる第一歩として、気になる保険プランをいくつかリストアップし、比較検討を始めてみてください。
正しい選択をすることで、安心した日々を手に入れましょう!
以下の記事は、保険を見直す際に押さえておきたい重要なポイントをわかりやすく解説しています。
この記事を読むことで、以下のことができるようになります。
・自分に本当に必要な保険を見極められる
・不要な保険料を節約し、家計の負担を軽減できる
・見直しの判断基準と具体的な手順がわかる
保険の見直しには、適切なポイントを理解することが不可欠です。
この記事を参考に、無駄なく最適な保険を選びましょう!
ぜひ、読んでみて下さい。
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