「生命保険料控除」とは、所得税法に基づく税制優遇措置の一つで、生命保険料を支払った場合にその金額が所得から控除されるしくみです。
この控除制度を利用することで、保険料の一部が還元されるため、保険に加入する際には重要なポイントとなります。
しかし、控除の対象となる保険や控除額などには様々な制限があり、しっかりと把握しておく必要があります。
本記事では、生命保険料控除について詳しく解説し、節税のポイントを探っていきます。
生命保険料控除
生命保険料を一定期間支払った場合、所得税や住民税などが控除される制度です。
払い込み金額により控除額の区分が設定されています。
所得控除をすると、確定させる所得金額の数字が小さくなりますから、そのぶん税金も少なくなるということです。
なお、会社員は年末調整、自営業は確定申告の関係書類の提出で控除の申請となります。
生命保険料控除の種類
生命保険料控除の種類は以下のように3種類に分かれています。
一般生命保険料
生命保険会社、旧簡易保険、農業協同組合などと締結した生命保険契約および死亡保険契約のことです。
また、変額個人年金保険や個人年金保険料控除に該当しない個人年金保険なども一般の生命保険料控除の対象となります。
介護医療保険料
医療費に対して保険金が支払われる契約や疫病や身体の障害などに対して保険金が支払われる簡易保険契約が対象となります。
ただし、傷害保険や5年未満の契約、貯蓄系の契約は控除の対象となりません。平成24年から新設された控除枠です。
個人年金保険料
年金を受け取れる保険のうち、一定の条件を満たして個人年金保険料税制適格特約をつけた保険の保険料が控除されます。
年金の受取人が、保険料を払い込む人もしくは配偶者となっている必要があります。
生命保険料控除額について
年間の正味払込保険料(その年の1月1日から12月31日までに払い込んだ保険料)に応じて、また、税制改正の適用(平成24年1月1日)の前(旧保険料)か後(新保険料)かによって、それぞれ生命保険料控除の金額が定められています。
年間の正味払込保険料とは、同じ期間に受けた剰余金や割戻金を差し引いた金額のことで、それぞれの控除額は以下のようになっています。
なお、生命保険料控除の限度額は、新旧制度全体で所得税12万円及び住民税7万円となります。
生命保険料控除の申告手続き
自営業など個人事業主やフリーランスの方は、確定申告書作成の際に、第一表へ控除額を、第二表へ支払った保険料の金額を記入します。
生命保険会社から10月頃に届く「生命保険料控除証明書」を添付のうえ、税務署へ確定申告書を提出します。
また、会社員などの給与所得者の場合は、会社で受け取る年末調整の書類に含まれている「給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」に必要事項を記入します。
保険契約の種類(生命保険・介護医療保険・個人年金保険)や新保険料・旧保険料の区分に注意してください。
「生命保険料控除証明書」に記載されている参考額(申告額)がその年に支払う保険料の金額です。証明額の方ではありませんので注意してください。
なお、会社員で年末調整までに提出が間に合わなかった場合、その後、確定申告すれば生命保険料控除を受けることができます。
また、自営業も含め最大で過去5年前までさかのぼって還付請求することができますので、証明書や領収書は大切に保管しておきましょう。
生命保険料控除の活用で節税しよう!見直しのチャンス!
生命保険料控除を活用することで、税金を節約することができます。
控除の範囲や条件などをしっかり把握し、保険の見直しを検討してみましょう。
生命保険料控除を活用することで、今までよりもお得な保険に切り替えることもできるかもしれません。
生命保険の保障内容や保険料だけでなく、税金面でも見直しをすることで、より賢い保険選びができます。
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