市場価格調整(MVA)

市場価格調整(MVA) 保険

投資型保険においては、市場の変動や金利の影響を受けることがあります。

その中でも、市場価格調整(MVA)は注目すべきポイントです。

MVAは、保険契約解除時における現金価値と契約時の投資価値との差を表す指標であり、保険の見直しを考える上で重要な要素となります。

MVAの理解によって、保険契約の将来的な現金価値についてより正確な予測を行うことができます。市場の変動によってMVAがプラスまたはマイナスになる場合、保険契約の解除時に受け取る予定の現金額に影響を与えます。

保険の見直しを検討する際には、自身の保険契約におけるMVAの影響を確認し、将来の保険金受け取りに関わる可能性を把握しましょう。

また、MVAの影響を最小限に抑えるためには、市場の動向や金利変動にも注意を払う必要があります。

自身の投資型保険契約におけるMVAの詳細を把握し、保険の見直しにつなげましょう。

将来の経済的な安定を考える上で、MVAの影響を適切に評価することは重要です。

市場価格調整(MVA)とは

「市場価格調整(MVA:Market Value Adjustment)」とは、解約返戻金等の受け取りの際に、市場金利に応じた運用資産の価格変動が解約返戻金額等に反映されるしくみのことです。

一般的に、中途解約時に、積立金額に所定の「市場価格調整率」を用いて、解約時点の運用資産(債券等)の価値を解約返戻金に反映(控除・加算)します。

現在、「個人年金保険」、「終身保険」、「養老保険」などの一部に市場価格調整(MVA)を利用した生命保険商品があります。

価格変動の具体例

MVAの意味を理解するため、解約返戻金の受取時に市場金利に応じた価格変動が反映される具体例(考え方)を示します。

保険会社が契約者に支払うための保険金(責任準備金)を国債などで運用しているとします。

たとえば、利率1.0%の10年国債を購入したとして、5年後に利率2.0%の国債が売り出されたとすると、この時点で残り5年、利率1.0%の国債を手放そうとしても、既に利率2.0%の国債が出回っているので保険会社としては売れずに困ります(利率が上がるということは債券(国債)の価格は下落していることを意味します)。

利率1.0%の国債を利率2.0%のものと同等の価値にするためには、国債価格の下落分を解約返戻金から差し引いて充当する必要があります。

つまり、契約したときよりも解約時の積立利率が上回っている場合は解約返戻金が減り、反対に契約したときよりも解約時の積立利率が下回っている場合は解約返戻金が増えることになります。

このことから市場金利の変動により解約返戻金が払込保険料の総額を下回ることがあり、損失が生ずる可能性がありますので注意が必要となります。

なお、解約した場合、措置期間に応じて一定の金額を解約返戻金が差し引かれます。

差し引かれる金額は保険会社ごとに定められた「解約控除率」によって異なります。

MVA率の算出式

MVA率の計算式は保険会社によっても若干異なりますが、ある保険会社におけるMVA率の計算式は以下のようになっています。

MVA

={1-((1+適用積立利率) ÷ (1+解約日積立利率+0.3%))}×(残存月数)÷12

※適用積立利率 :契約中の保険契約に適用されている予定利率

※解約日積立利率:解約日に契約すると適用される予定利率

ややこしい算出式ですが、契約中の保険の予定利率に対して、解約日に契約すると適用される予定利率に0.3%を加算した利率がどの程度増減しているかで解約返戻金を増減するものです。

MVA率に上限や下限はありませんが、解約返戻金が0を下回ることはありません。

たとえば、残存期間5年の個人年金を解約して、契約時の予定利率が1%、解約時の予定利率が1.2%であった場合、MVA率は2.44%となり、その分だけ解約返戻金から控除されます。

このMVAのほかに解約控除率もあわせて控除されることを考えると解約返戻金の減額幅は少なくありません。

このように金利動向によって解約返戻金は大きく減額される可能性があるので、できるだけ解約はしない方向で慎重に契約をする必要があります。

未来の価値を見極めよう!市場価格調整(MVA)で保険の見直しを考えてみよう

市場価格調整(MVA)の概念を理解することで、保険の見直しに大きな影響を与える要素を把握することができました。

MVAは保険契約解除時の現金価値と契約時の投資価値の差を示す指標であり、将来の保険金受け取り額に影響を及ぼす可能性があります。

保険契約を見直す際には、自身の契約におけるMVAの影響を評価しましょう。

MVAがプラスになる場合、将来の保険金受け取り額が増加する可能性がありますが、マイナスの場合は減少する可能性があります。

したがって、保険契約解除時におけるMVAの状況を考慮し、将来の経済的な安定を見据えて保険の見直しを検討しましょう。

また、市場の変動や金利の動向もMVAに影響を与える要素です。

将来の金利の変化や市場の動向を予測することは難しいですが、経済の動向や保険市場のトレンドを注視することで、MVAのリスクを最小化することができます。

自身の投資型保険契約におけるMVAの詳細を確認し、将来の保険金受け取りに関わる可能性を正確に把握しましょう。

保険の見直しは将来の経済的な安定に寄与する重要な手段です。

MVAを適切に評価し、より有益な保険プランに移行することで、より安心な未来を築くことができるでしょう。

 

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