この記事では予定利率の高い保険の取り扱い方法を紹介します。
保険は素人では分かりにくい部分が多く、保険加入後、そのままにしている人が多いのではないでしょうか。
見直しをしようとしても、そのタイミングや考え方など、何から手を付ければよいか悩んでいる人が多いかと思います。
納得できる保険の見直しは、やはり専門家に相談するのが一番良い方法ですが、都合の良いものだけを勧めてくるのではないかという不安があります。
特に下調べもせずに相談に行くと売りたい商品を勧められるだけに終始して、不満だけが残る結果になりがちです。
自分が納得できる結果を得るには下調べが必要で、そのポイントを知り、専門家に相談することで良い結果を得ることができます。
1993年3月までに加入した保険はかなりお得
「お宝保険」という言葉を耳にしたことはありますか。一般的には、1999年3月までに契約した、貯蓄性の高いタイプの保険のことです。
下表にあるように、この時期の保険は、いまと社会情勢が大きく違っていたこともあり、基本的に予定利率がとても高く設定されています。
利率とは、保険会社に払った保険料と、それを保険会社が運用したことで得られる保険金の利益の割合で、予定利率は、契約時点で保険会社が契約者に対して約束されたその割合のことです。
つまり、予定利率が高い保険に加入していれば、それだけ支払う保険料に対して、高額の保険料が返ってくることになり、解約返戻金が多くなったり、保険料が割安にもなるのです。
つまり、お宝保険は貯蓄性が高く、保険料も割安なのです。
たとえば、30歳男性が30年満期の養老保険(満期に、生きていても死亡しても契約した額が受け取れる保険)に保険金1,000万円で入ったときの月払保険料は、予定利率1.5%であれば約26,000円。払込保険料の総額は約940万円なので、満期時に1,000万円受け取ると、60万円得します。
これに対して、予定利率5.5%の契約は月払保険料が約16,300円、払込保険料の総額は約590万円で、410万円得します。予定利率が高いほうが断然おすすめです。
お宝保険は、とても貯蓄性が高く、維持し続けていれば、それだけで一財産になってくれます。
ちなみに、現在の予定利率は1.0%あればよいほうです。
契約年月 | 予定利率(%) | |
契約期間10年超え20年以下の場合 | 契約期間20年超えの場合 | |
~1976年3月1日 | 4.0 | 4.0 |
1976年3月2日~1981年4月1日 | 5.0 | 5.0 |
1981年4月2日~1985年4月1日 | 5.5 | 5.0 |
1985年4月2日~1990年4月1日 | 6.0 | 5.5 |
1990年4月2日~1993年4月1日 | 5.5 | 5.5 |
1993年4月2日~1994年4月1日 | 4.75 | 4.75 |
1994年4月2日~1996年4月1日 | 3.75 | 3.75 |
1996年4月2日~1999年4月1日 | 2.75 | 2.75 |
1999年4月2日~2001年4月1日 | - | 2.0 |
2001年4月2日~2013年4月1日 | - | 1.5 |
2013年4月2日~ | - | 1.0 |
予定利率が高い保険の見直しは慎重に判断する
終身保険など貯蓄部分の保障がある保険の場合、通常は加入時の予定利率が適用されるので、予定利率が高かった頃に加入した保険を解約して新規の保険に加入するのは、よく考えてから判断しましょう。
特に1990年代前半頃の養老保険・終身保険・年金保険など貯蓄性の高い保険の場合、当時は予定利率が5~6%前後あるものが一般的でした。
通常は加入時の予定利率は保証されますから、現在の予定利率はかなり抑えられていることを考えると、こうした保険を解約して新規の保険に加入するのは注意が必要です。
新発売の保険がよさそうだからとむやみに昔の保険を解約せず、予定利率を確認してお宝保険を逃さないようにしましょう。
また、保険会社によっては、お宝保険であっても、ほかの保険と同じように転換することをすすめてくる場合があります。
心当たりがある人は、解約してしまわないように充分に注意してください。
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