保険に入るということは、将来的に万が一の場合に備えて準備するということです。
その際に必要なのが保険料ですが、保険料の中には「純保険料」というものがあります。
では、この「純保険料」とは一体どのようなものなのでしょうか?
純保険料とは
契約者が保険会社に対して支払う保険料のうち、保険会社の経費となる「付加保険料」を除いた、将来の保険金支払いに充てられる部分を指します。
そして、純保険料は「予定死亡率」と「予定利率」で計算されます。
この純保険料は、保険会社の計算・目論見が正しい限り「保険の原価」となる部分です。
ちなみに、この純保険料の算定については金融庁による認可が必要となります。
予定死亡率
予定死亡率とは、「大数の法則」や「収支相当の原則」の考え方をベースにして決められます。
大数の法則
大数の法則とは、それぞれは偶然で無秩序に思われることでも、数多く観察することによりある一定の秩序や法則を発見できることをいいます。
これを保険に当てはめると、ある特定の人の死亡については予測が不可能だが、その人と同年代の人たちが年間で何人死亡しているのかは、過去の統計から判断できるということです。
収支相当の原則
収支相等の原則とは、保険集団ごとに、保険期間中の保険料の総額・運用益の合計と、保険金の支払総額・経費の合計が一致するように、保険料を算定することをいいます。
つまり、入ってくるお金と出ていくお金が同じ額となることを意味します。
保険において、保険事故の発生する確率が高いことを知りながら契約しようとする者が多いと、収支相等の原則を崩し、保険制度の健全性を損なう恐れがあります。
このようにして算出される予定死亡率は実のところ、保険会社によって大きく異なることがないことが分かると思います。
予定利率
予定利率とは運用利回りのことです。
保険会社は、契約者から支払われた保険料を有価証券や貸付などで運用し、その収益を保険金、つまり責任準備金に充てています。
予定利率は、この運用で収益がどれくらい出るのか、その運用利回りを予測した数値です。
予定利率は、保険会社の健全性を確保するため、金融庁から一定の基準を定められている「標準利率」をもとに保険会社が自社の状況を反映して発表しています。
生命保険各社の保険料の差について
多くの商品やサービスがインターネットサイトで価格を比較し、より安い価格で購入できます。
保険も同様に来店型保険ショップやインターネットサイトで保険料の比較をし、検討・契約できます。
では、なぜ生命保険会社によって保険料の差が生じるのでしょうか。
保険料は純保険料と付加保険料で決定され、純保険料は予定死亡率と予定利率については生命保険会社によって大きく異なることはありませんので、純保険料は大きな差が出ません。
一方、付加保険料は「予定事業費率」をもとに計算されていますが、特にこの「予定事業費率」の差が生命保険会社によって大きく異なるため保険料に差が生じるわけです。
インターネットで生命保険の販売をしているライフネット生命が、自社の付加保険料を公表したことで、どこの保険会社の付加保険料がいくらになっているのかを様々な雑誌に取り上げられ話題となりました。
事業費(運営経費)はインターネット主体の生命保険会社のほうが一般の生命保険会社よりもかからないため、付加保険料が安くなり、これが保険料の差が生じる要因であることがわかります。
保険料を節約!純保険料を理解して保険の見直しをしよう
純保険料は、保険料のうち、生存している間に受け取れる保険金を差し引いた部分のことを指します。
つまり、死亡保険金や終身保険金が含まれず、死亡や疾病などのリスクに備えた保障を受けるために支払う保険料のことです。
保険料を節約するには、純保険料が安くなる保険商品を選ぶことが一つの方法です。
また、生活環境やライフスタイルに変化があった場合は、保険の見直しも必要です。
自分に合った保障内容と純保険料を比較して、見直しのタイミングを見極めてみましょう。
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