頑張らないことの大切さ
自由に報酬が決まる市場原理の世界では、一流と二流の間に100倍くらいの報酬格差がつくことがあります。
芸能人やプロ野球選手などではよくあることですが、このような格差がサラリーマンにもつく時代がやってきます。
日本の会社では、新入社員の年収は300万円程度、社長になっても10倍の3,000万円程度にしかなりません。
アメリカでは、新入社員の年収は日本と同じ程度ですが、社長の年収は場合によっては数十億円にも達することもあるので、まさに1,000倍の格差です。
また、市場原理でつく大きな格差は給料だけではありません。
金融が自由化された今でも、普通に銀行に預ければ、お金持ちでも一般庶民でも大きな金利格差はありません。
ところが、運用のほうで大きな格差がついてしまうのです。
お金のない庶民は銀行に預金するしかないので、わずかな金利しかもらえません。
しかし、10億円の現金をもっているお金持ちであれば、この10億円で都心のビルを購入することで毎年1億円程度の家賃が期待できます。
つまり、利回り10%程度に跳ね上がるわけです。
しかも都心の地価は上昇傾向にあるので、ビル自体の値上がり益まで取れるのです。
強者はますます強くなり、弱者はどんどん弱くなっていく。
こうして、「勝ち組」と「負け組」に分かれていくので、これからは負け組にならないように、勝ち組を目指して頑張ろうとするのです。
ここで人生のコースは3通りに分かれます。
①勝ち組を目指して勝ち組になる
②最初からあきらめて負け組になる
③勝ち組を目指しながらも負け組になってしまう
残念ながら日本では、③のように勝ち組になろうと思って一生懸命働くが思い通りならず、定年を迎えたときに心も体もボロボロになるといった罠にはまる人が多いのです。
勝ち組に残れるのはせいぜい全体の数パーセントで、熾烈な競争を勝ち抜かなければなりません。
サラリーマン社会の中での競争は、自分の魂や健康を会社に売り渡さないと高い年収を得ることができないのです。
このような競争社会から自分を守るためには、最初からサラリーマン社会の中での勝ち組を目指すのではなく、別のルートで勝ち組を目指す方法もあるのではないかと思うのです。
今の仕事は手を抜いてしまうとすぐにリストラされて、即、負け組に転落です。
必要なことはきちんと行った上で、意味のないサービス残業や、上司に媚を売るためにいっしょにゴルフや飲み会の参加はやめるのです。
ただ、それを貫くのは、強い意志を持っていないと難しいのです。
では、いかにして自分の雇用を守りながら、自分自身の自由な精神と体を守るのかを考えていけばよいのか。そこには、さまざまな技術や知識が必要となってくるのです。
豊かな人生とは何だろうか?
バブル経済崩壊後、大変な世の中になってしまったことは事実です。
ただ、いつまでも愚痴をいっても何も変わりません。
仮に厳しい経済状況に追い詰められたとしても、暗くならずに常に真面目に前向きに生きることが、実は一番大切なのです。
株式投資やFXで短期間のうちに数千万、数億円儲けた人の話がよくメディアで紹介されていますが、実はこんな時代になっても、きちんと年収を確保できている人の多くは真面目に毎日の努力を積み重ねてきた人たちなのです。
最大限の努力をして家計の節約に取り組んでいけば、何とか生活していくことはできるはずです。
最低限の日常生活が確保できるようになった後、人生を幸せなものにできるかどうかは、自分がどのように人生を楽しむかにかかってきます。
ブランド物を身につけたり、高級車に乗ったり、高級リゾートで過ごすことだけが豊かな人生ではありません。
世間のトレンドとは違っても、自分なりの好きなものや、好きなことを見つけ、その喜びを分かち合える仲間とコミュニケーションを楽しむことが、いちばん豊かな人生だと思っています。
会社に囚われずに豊かな人生にする
出世をするよりストレスのない働き方をする方に力点を置き、「投資」と「倹約」の実行により、自由な生活を獲得することを目指します。
お金持ちの多くは「節約」よりも「倹約」を心掛けています。
「節約」と「倹約」はどのように違うのかについて、「節約」は、光熱費・食費・交際費など心地良く生活するための必要経費すらも無理して削るような印象があります。
このため、「節約」には大きなストレスが伴い、長く続けることは厳しい、というイメージが付きまといます。
一方、「倹約」であれば、無意味なこと、不要なことにお金を投じないことですから、必要経費や、有意義な出費まで削って出し惜しみする必要はありません。
お金を使う対象を吟味して、メリハリを付けて出費を行うことが「倹約」だといえそうです。
そう考えるとお金持ちの多くは「倹約」に努めているということでしょう。
「投資」と「倹約」の実行は、ある意味FIRE(Financial Independence Retire Ealry)、すなわち経済的な独立と早期退職を目指しているのと同じ方向を向いているといえそうです。
ただ、ここで推奨するのは経済的自立のためにお金持ちになることがゴールなのではなく、あくまでも豊かな人生を楽しむことを目標としています。
豊かさは人によって異なりますが、必ずしも1億円を40歳までに貯めて引退する、というような凝り固まった目標が設定されているわけではありません。
そのため、経済的自立という意味で、会社に囚われないような働き方で収入を得ながら、不足する分を「投資」と「倹約」でカバーする方法もありだと考えます。
働き方においても、自分の好きな副業をしながら収入を得る方法や、気の合う仲間がいる職場に週1〜2日だけ短時間働きに行ったりして収入を得る方法などもあります。
また、都市部ではなく郊外や地方に居住地を変えて、投資収益を得つつ、居住コストを大胆に下げる方法もよいでしょう。
人生100年時代を生き抜くために、長期間に渡って、柔軟に収入や支出の調整を行うといった「終わりなき再リタイア」という考えで、一生働かないことに固執しないで豊かなライフスタイルを確立していきましょう。
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