サラリーマンの給料は「奴隷所得」
収入を得る方法は大きく分けて2種類あると思っています。
ひとつ目は多くのサラリーマンが選択している、会社組織に時間を切り売りして働く方法。
もうひとつは、一般的に「不労所得」といわれている、ビジネスオーナーや投資家などのように、自らが汗水垂らして働かなくても自動的にお金が入ってくる方法です。
どちらがよいかといわれれば、ほとんどに人が「不労所得」がよいと思うことでしょう。
そう思いながらも、「不労所得」は簡単に実現できるようなことはないから、サラリーマンのように毎月確実に給料が入ってくる方がよいのではないかと考える人を多いことでしょう。
たしかに、サラリーマンの場合、毎月会社から給料がもらうことができ、それで家族を養うことはできるでしょう。
しかし、そのためには大きな代償を払わなければなりません。
会社勤めをしていると、雨の日も風の日も、雪にも夏の暑さにも負けずに出勤し、時間に拘束されて決まった業務をこなさなければなりません。
営業職の人なら売り上げのノルマがあるでしょうし、経理担当の人なら日々各部署から上がってくる伝票の山と格闘しなければならないでしょう。
そのためには、具合が悪くても、朝早くから満員電車に揺られて、出勤しなければなりません。
また会社では日々の業務に加えて、重役や上司など周りの人に気を遣う必要があります。
上司の機嫌をとったり、理不尽な命令に応じたり、全く興味のない話題に相槌を打ったりした経験はあるでしょう。
そうしたことは心理的にかなりの負担になります。
逆に上司の方は、部下に気を遣わなけばなりません。最近はコンプライアンスの徹底で、部下にちょっと厳しいことを言おうものなら、パワハラだとやり玉に挙げられ、立場が危うくなりかねません。
中間管理職なら、重役と部下に挟まれ、その心労は大変なものでしょう。
このような生活を何年も続けていたら、身も心もクタクタになって、病気にならないほうが不思議です。
よほど神経の図太い人か、あるいはもともと無神経な人でなければ、とてもやってられません。
こうして得られる所得は見えない手枷足枷をはめられた結果の「奴隷所得」のようなものでしょう。
そして、サラリーマンの場合、その所得から所得税や住民税、社会保険料など、年収の多くを天引きされます。
困ったことに老後の頼みの綱の年金も生活に必要分を支給してもらえるのか分からない状態になっています。
サラリーマンの場合、リタイア後は年金を基に生活設計を考えている人がほとんどでしょうから、これは深刻な問題です。
サラリーマン以外の人にとっても当然、年金の問題は深刻であることに違いはありませんが、生活の安定を求めてサラリーマンの道を選んだ人にとっては、途中でハシゴを外された思いになるでしょう。
このように、生活の安定を求めていたものが、当てが外れ、一生お金で苦労することになるのです。
倒産するはずのない企業が突然・・・
このような状況にもかかわらず、依然としてサラリーマンの人気は高いようです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構「第7回勤労生活に関する調査」
の結果(2016年9月)によると、「終身雇用」を支持する人の割合は、調査を開始した 1999 年以降、過去最高の 87.9%で、「組織との一体感」「年功賃金」を支持する割合もそれぞれ、88.9%、76.3%と過去最高の高水準となっています。
1つの企業に長く勤め管理的な地位や専門家になるキャリアを望む者の割合は50.9%と過半数となっており、特に20歳代が、この調査では54.8%ともっとも高い支持率となっているのが目立つます。
この調査結果は一般企業が厳しい状況にあることの裏返しともいえるでしょう。
かつて日本を牽引した企業においても血のにじむようなリストラを断行している状況においては、もはやどんな企業といえども、定年まで勤めること前提に生活設計をすることはリスクでしかありません。
倒産するはずのないと誰もが信じて疑わなかった大企業が突然、経営破綻する時代になってしまったのです。
いまでも続く「ムラ社会」
<サラリーマン=経済的安定>という図式が崩れているにも関わらず、依然としてサラリーマンの人気が高いのは、組織に所属していれば社会的な地位が保証されているような気持ちになるかもしれません。
会社は「ムラ社会」などとかつての日本の村にたとえられます。
村は掟やしきたりに従わない者に対しては、従わせようと圧力をかけるか、村八分といった形で排除しようとしました。
会社も同様で、会社の規程や上司の命令を忠実に守ることのできる人は受け入れてくれますが、不条理な規程や命令に従わない人にはさまざまな形で圧力をかけてきます。
いまでこそ行われることはあまりありませんが、社内の運動会、旅行、歓送迎会などの参加は半強制的なものがあり、拒否しようものであれば、協調性のないヤツとレッテルが貼られて肩身が狭くなるようなことがよくありました。
なお、上司の意向に沿わない行動をとると人事考課で報復を受けるようなことはいまでもよくあります。
会社は「お金をもらいながら勉強するところ」と割り切る
会社に長く勤めようと考えているのであれば、余計なことを言わないのが一番です。
重役や上司の言うことにハイハイと従い、不正なども見て見ぬふりをします。
その行為が結果的に会社を窮地に立たせることになることはうすうすわかっていても、自分から不正を問い質すことはしないというわけです。
会社の意向に逆らう者に対しては、どんな立場や地位であっても、牙を向いてくるのが、会社の本性です。
このような会社にいたら正常な判断ができず、精神的におかしくなってしまい、できることであれば、会社を辞めてしまいたいと思う人は、世の中にたくさんいると思います。
しかし、会社を辞めてしまうとその後の生活に困ってしまう、家族を抱えて路頭に迷うようなことになったらどうしようと考える人がほとんどでしょう。
そのような場合、会社の中で表向き従順であるふりをしつつ、そこから一刻も早く脱出するにはどうすればよいかを考えましょう。
見方を変えれば、会社というところは、お金をもらいながらいろいろなことが学べる素晴らしい場所です。
業務を通じて得た知識が退職後に役立つことは結構ありますし、忍耐力が身に付きます。
しばらくは会社から給料をもらいながら、自力で不労所得を得るための準備を整えましょう。
会社をそういった目的で利用すると割り切れば、少しは気が楽になると思います。
不満を持つもつだけでは何も解決しない
毎月の手取額が一向に上がらないのは、国にたくさん税金や社会保険料を持っていかれるせいだと思っていますし、経営者い手腕や才覚がないからだとも思っています。
これは間違いではないのですが、これらの不満を国会議員や経営者にぶつけてみても、すぐに改善されるようなことはまずありえません。
自分でコントロールできる範囲を超えているようなことで思い悩んでみてもしかたがありません。
不満や不安に思うこと自体無意味なことです。
悩んでみても解決できないことに、無駄なエネルギーを費やすことほどばかげたことはありません。
「老後が心配だ」、「年金がもらえるかどうか不安」とテレビの街頭インタビューで答えている様子をよく見かけますが、そんなことを心配するのであれば、不足する年金の穴埋めとして、働かなくてもお金が入るしくみを考えるべきでしょう。
自分では何も行動せず、もらえるものはたくさんもらおうというのは、いかにもムシのいい話です。
国や会社にしがみついて、ないものねだりばかりの人生ほど、後ろ向きの生き方はありません。
面倒なことを避け続け、努力することをせず、失敗を恐れてリスクをとるようなチャレンジをしなかった、過去の選択の結果が、いまの自分の存在です。
誰しもいままで自分の歩いてきた過去を変えることはできませんが、未来については自分の力で変えることができます。
もし、現状に満足していないのであれば、「到達目標」をいったんリセットしましょう。
「到達目標」とは、たとえば、20代の人であれば40代や50代になったときの自分はどうなっていたいのか、40代や50代の人は老後を迎えたときの自分はどうなっていたいのか、
特に40代や50代のサラリーマンの場合は、「到達目標」の多くが年金や退職金をもらう前提の生活でしょう。
でも、その構想を白紙にして、別の収入源を確保するしくみを考えるのです。
20代や30代の若いサラリーマンでしたら、会社でバリバリ働く姿を「到達目標」としているかもしれませんが、会社は突然なくなるかもしれませんし、リストラで会社に所属できなくなるかもしれません。
いざという時に備えて、別の収入源を確保する道を考えておくべきです。
そして、その別の収入源こそが「不労所得」なのです。
「不労所得」は経済的にも精神的にも大きな武器となるのです。
「不労所得」を得るようになるには、日々試行錯誤の連続で精神的に辛いこともあります。
コツコツ努力を積み重ねいくと、不思議なことに収入を得られるようになり、それが持続するようになり、さらに収入が増えて、その状態がうまく回り始めます。
そのようになるためにもまずは行動を起こすことです。
行動しなければ何も始まることはありません。
なかなか成果が出なくて、精神的に辛くても、必ず成果が出ると信じて、少しでも前進するようにしましょう。
「不労所得」があれば、金銭的な余裕はもちろんのこと、気持ちにも余裕が生まれます。
会社での不条理な業務命令にははっきりと異議を唱えることができ、社長や上司にゴマをする必要もなくなります。
出世とは無縁になりますが、それを補って余りある心の自由を手に入れることができるのです。
これからの人生を思いっきり楽しむためにも、まずは勇気を出して、最初の一歩を踏み出してみてください。
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